わかりやすい「肩こり」の原因と対策
人の頭部の重さは、5~6kgあり、それを常に首の筋肉が支えています。
肩こりの原因の多くは、首から肩にかけて周囲の筋肉(主に僧帽筋)が硬く凝り固まることによります。特に、パソコンやスマートフォンの長時間使用を原因とするストレートネックは要注意です。
上記以外にも頻度は少ないですが、肩周囲の組織が炎症を起こしていたり、内臓の疾患が隠れていることもあります。
自覚のある症状として「肩こり」は、女性で一位、男性でも二位ということですが、私の経験からすると、自覚症状がないのに、実際に肩の筋肉の硬さを触診させてもらうと、筋硬結があり、マッサージすることによって気持ちよさを、初めて実感するかたも少なくありません。
軽症の肩こりであれば、仕事中時々、ストレッチすることで改善することもあります。
後頭部から肩や背中にかけて広がる「僧帽筋(そうぼうきん)」は、首を横や前方に曲げることでストレッチされます(手を添えるとよりストレッチされます)。また、肩甲骨の内側に付いている「大菱形筋(だいりょうけいきん)、小菱形筋(しょうりょうけいきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)」などは、両手を組み、背中を丸めて前方に押しだすことでストレッチされます。
しかし、頑固な肩こりは、ストレッチだけでは改善しません。「筋硬結」という凝り硬まった部位(筋組織)を見つけ出し(これが難しいスキルです)、その筋肉の緊張をほぐすようにマッサージする必要があります。
もちろん、入浴時に温めること、低周波の電気治療、その他温熱療法、市販のマッサージ機器なども改善の効果はあります。
これまで、理学療法士、マッサージ師、中国の気功などのテクニックを見たり受けたりしてきましたが、「筋硬結」を、見つけ出すこと、そして痛みを増強せず、効果的に改善できる人は、ごくわずかしかいませんでした。
最後に、肩こりでも、整形外科をまずは受診した方がよい場合もあります。
例えば、肩こりとともに首や肩周囲の痛みが強いとか、「しびれ」がみられる場合です。
「しびれ」という症状は、頸部の神経を刺激していることによって生じているためです。
また、肩が上がらないといった「肩関節周囲炎」、「胸郭出口症候群」といった病気も時に影響していることも想定されますので、専門医の先生の受診をお勧めします。